2011年 12月 27日
仕事で映画を鑑賞する時は、感情に流されないように気をつけるのですが この映画は....気づいたら涙が流れていました。 悲しいからじゃなくて、せつないほどの愛情を感じたからです。 先日、柳田邦男さんの講演に行く機会がありました。 息子さんを亡くした悲しみに耐えきれなかった柳田さんが 最初にしたことは....絵本を読むこと。 たくさんの作品を、幼い頃の息子さんの思い出とともに味わい、引き込まれ 当時とはまったく違った、新鮮な感想を持ち (読み聞かせていた時にはわからなかったそのお話の真意に触れ) いつしか悲しみの痛みを乗り越えることが出来たことを お話しくださったのです。 また、ご主人を亡くされた方に、その方のお子さんが 死について語った絵本を贈り、その本を繰り返し読むことで 癒されたお話などを。 この映画は、聡明で風変わりな少年オスカーが まさにその工程をあざやかに体現してくれます。 ガイドは絵本ではなく、愛情によって。 ごまかしのきかない彼の視点で見る世界は 「あの日」以降残酷な景色に変わってしまいました。 どこかへ消えてしまった、大好きな父親。 辛いのを通り越して、痛い。 なにか行動すること。何かつくること。 トム・ハンクス演じる父親トーマスは 聡明だけれど社会生活に不安がある息子に、様々な「仕掛け」で 想像し創造することをたっぷりの愛情とともに遊びながら学ばせます。 大好きな父親のぬくもりを求めて、求めて、 オスカーは父に学んだ行動で、たくさんの人たちと出会い 亡き父と、サンドラ・ブロック演じる母親リンダの愛情で やがて現実の悲しみを受け止める土台を 彼なりの方法でつくっていくのです。 十年たっても私を含め世界中の人々が今もなお テレビでみたあの映像を忘れられないと確信しています。 でも、いつまでもそこに留まるのは、強制的に時間を止められてしまった 死者に対して、とっても失礼なことだと私は思います。 ぜひ、オスカーと一緒に、体験してみてください。 辛いからこそあえて向き合うことで 違った景色がみえてくるはずです。 ![]() ものすごくうるさくてありえないほど近い 2012年2月18日劇場公開 ワーナー・ブラザース映画
by natsu_miyazawa
| 2011-12-27 22:10
| 映画
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