2014年 11月 29日
![]() 崖の下に巣穴をみつけた漁師は 仲間にたのんでおろしてもらうと、 そこにはりっぱな熊が暮らしていた。漁師は熊と一冬過ごすことになる.... サハリンのニヴフ族の熊神話は、アマゾン川流域では 構造のみ生かしべつの神話として成立しています。 参考文献:「熊から王へ」 カイエ・ソバージュ(2) (講談社選書メチエ) 中沢新一 このお話をざっとご紹介します。 ある村で一人の男が狩りに出かけて、熊の足跡を見つけた。 人を集めてその後を追うと、熊はどうやら、 海に面した断崖絶壁の崖に巣を作っているようだ。 男は腰に革ひもを結わえ、上から皆で巣穴のある崖の下へ下ろしてもらった。 ところが皆は、革ひもを手放し、男を置き去りにして村へ帰ってしまった。 男は食べる物もなく、飢え、革ひもを食べてしのいだ。 いつのまにか眠っていた男は、熊が 「さあ、私のところへ来なさい」と言っている夢を見て 目が覚めると巣穴へ入って行き、冬眠している熊のそばに横たわった。 眠ると夢の中でまた、熊が 「もしお腹がすいたら、私の小指を吸いなさい。 水が飲みたくなったら、もう一方の小指を吸いなさい」と言った。 起きた男は、お腹がすいたので眠っている熊の片足を持って吸い始め、 もう一方の片足で乾きをいやした。 春が来て、熊は男に夢の中でこう言った。 「私は明日、起きる。私が外に出たら、お前は私によじ上って 背中に乗りなさい。そして自分の村に帰ったら 三匹の犬を縛って、私のところへよこしなさい」 翌朝、熊は目を覚まし、外へ出た。 男が背中に上ると崖を登り、立ち止まった。 男は背中から下りて、自分の村へ帰り 三匹の犬を縛って、熊に送った。 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ニヴフ族の生活圏の北東アジアでは崖へ下りて行くことで 「熊の巣をあさる」物語が進みますが、 アマゾン川流域では木に登る、垂直に上がって「鳥の巣をあさる」ことで物語が成立します。 出てくる動物や結末も違うのですが、南では熊に変わって ジャガーが超自然的な存在として登場します。というわけで、次回の絵へつながりまーす。
by natsu_miyazawa
| 2014-11-29 17:45
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