2023年 09月 01日
![]() 開いていた本の一冊が ブワッと広がり 僕はのみこまれた。 丸呑み。 でも 呼吸はできるし 埃っぽいにおいの他は さほど嫌じゃない。 気づくと 温かい生き物の気配を感じた。 何か指のようなものが 胸のあたりに ずっと触れている。 怖さはない。 僕は頭の中に流れてくる 膨大な情報を 受け取りながら 僕は眠る前みたいに ぼうっとしながら とりとめもなく考えていた。 「時計じかけのオレンジ」に こんなシーンがあったっけ? いや あれは無理矢理開けさせられた 眼球からの情報だ。 それとは全く違うか。 まるで まるで プロジェクターが 目の裏、頭の中に 直接情報を映し出して それを観ているような感覚。 なんだ、これ 解像度の悪い昔の映画みたいで 夢みたい やけにリアル 「あ」 思わず声が出たのは その中に 自分を見つけたからだ。 今より幼い、自分の姿を。 わかった。これって 誰かの...記憶だ。 誰の? そのとき 優しく触れていた何かが ちくっ と 爪をたてた。 「...ケータ!」 1年間お楽しみくださいませ (にゃレンダー3つのお話の 『ねこ書房』とは別のお話です) #natsumiyazawa #inknoiro
by natsu_miyazawa
| 2023-09-01 12:04
| にゃレンダー
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